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希望日本賛同議員国会発言データベース

賛同議員の国会での各会議・委員会における発言がご覧いただけます。

(議員の所属政党は、委員会等での発言時のものとしています。

また、名前の前に※印がついている議員は、以前の賛同議員です。)

羽田雄一郎先生のご訃報に接し、衷心より哀悼の意を表します。

発言の詳細を表示します。


議員名杉久武(公明党)

2020年5月20日

委員会名参議院 資源エネルギーに関する調査会


「公明党の杉久武です。エネルギーの安定供給につきまして意見を申し述べます。我が国は、世界有数のエネルギー消費国でありながら、エネルギー自給率は一二%程度と、その資源の大半を輸入に頼っております。つまり、我が国のエネルギー安全保障は、エネルギーの産出国に左右されるという大変厳しい現実がございます。エネルギー資源の安定確保は国の至上命題であり、今日に至るまで官民挙げての資源獲得に奔走しておりますが、こうした現実を見据えれば、エネルギー産出国との友好関係は我が国の命綱と言えるものであります。目下、我が国の外交、特にエネルギー安全保障に資する外交という点におきましては、長期に安定した自公連立政権の下で、首脳外交を始め関係国との大変積極的な連携によって安定した外交成果を得ておりますが、この点に関しまして、本調査会に出席をいただいた参考人の皆様からも一様に高い評価をいただいたところでございます。その上で私から指摘しておきたいのは、我が国が輸入するエネルギー資源の八八%が中東に依存しておりますので、中東地域における我が国のプレゼンスを引き続き最高の状態に維持するとともに、中東地域の不安定要因に対し我が国は常に警戒していく必要がございます。平和を維持し、自由で開かれた貿易を堅持することが我が国生存の唯一の道であるとの認識の下に、引き続き、不断かつ高度の外交努力を続けることが肝要です。他方、近年の目まぐるしい技術革新は、再生可能エネルギーの抜本導入という道筋を確かなものにしようとしています。資源小国日本が独自のエネルギーを大量にかつ安定的に確保できるチャンスであり、化石燃料など従来のエネルギー資源をしっかり確保しつつも、エネルギー自給率向上の切り札である再生可能エネルギーの導入に向け、引き続き余念なく進めていかなければなりません。特に、電力の観点から一点指摘をいたしますと、再生可能エネルギーの基盤となる太陽光や風力発電は、いまだ需要に合わせた供給調整が難しいエネルギー源でございます。再生可能エネルギーを主力電源化、ベースロード電源として確固とした地位を占められるよう、国は需給調整を可能とする技術革新、ブレークスルーを大胆に後押しし、脱炭素社会の実現を追求すべきであると考えます。最後になりますが、現下の新型コロナウイルスに伴う経済活動の停滞は、皮肉にも温室効果ガスの排出量の減少をもたらすのではないかとの指摘がございます。現に、リーマン・ショックの際、排出量は大きく減少しました。しかし、それは一時的な事象であり、ショック後の景気回復とともに、温室効果ガスの排出量は再び増大をしました。今般の新型コロナウイルスの一日も早い終息を私も祈っておりますが、言わばコロナ後の我が国の経済の立て直しに当たっては、一刻も早い景気、経済回復は当然として、他方で、持続可能な社会の構築という観点からの経済対策、特に温室効果ガスの削減とエネルギーの安定供給の両立に向けた対策も視野に入れることが今後我が国により良い影響を与えるのではないか、このように申し上げまして、私の意見といたします。ありがとうございました。」


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