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希望日本賛同議員国会発言データベース

賛同議員の国会での各会議・委員会における発言がご覧いただけます。

(議員の所属政党は、委員会等での発言時のものとしています。

また、名前の前に※印がついている議員は、以前の賛同議員です。)

発言の詳細を表示します。


議員名柿沢未途()

2019年5月22日

委員会名厚生労働委員会


「アメリカのオレゴン州ポートランドという都市は、知る人ぞ知る、今注目の町であります。全米で一番クリエーティブでイノベーティブでオーガニックでスタートアップも多くて、先進的な町づくりが進んでいる。全米で一番格好いい、全米で一番住みたい町と言われているのがポートランドなんですね。このポートランドという都市なんですけれども、児童虐待対策でも私たちが見習うべき取組を行っています。資料の一枚目、ちょっとずらずらずらっと視察報告書からの抜粋をつけさせていただいていますけれども、オレゴン州では、カーリー・シーハンちゃんという三歳の女の子が虐待死した、それを防げなかったという悔恨と反省から、その名をつけたカーリー法、カーリーズローというのができて、二〇〇八年にオレゴン州の州法として施行されています。アメリカでは、全ての州において、子供にかかわる全ての専門職、つまり、保育士、学校教員、クラブチームのコーチ、養護教諭、心理士、カウンセラー、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、看護師、医師、警察官、検察官等々ですけれども、これらの子供にかかわる専門職全て、子供の安全に何らかの疑いを見つけた場合、それが虐待であるかどうか、加害者は誰かにかかわらず、全て通告することが義務づけられている。通告しなかった場合の罰則規定も設けられております。そして、オレゴン州においては、虐待通告ホットラインが受理した通告内容は全てチャイルド・プロテクティブ・サービス、CPS、子供虐待とネグレクトだけに特化している児童相談所と、警察のチャイルド・アビュース・チーム、CATといいますけれども、つまり児童相談所と警察が全部共有するということになっている。後ほど詳しく紹介しますけれども、MDT、マルチディシプリナリーチーム、多機関連携チームというのを組んで虐待事例の対応に多機関連携で当たるという仕組みも、全米で一番早くオレゴン州で整備をされています。このようにもともとかなり先進的だったんですけれども、そんなオレゴン州であっても、身体的な児童虐待については司法面接やまた系統的全身診察の実施が限られる傾向にあったそうです。そんな中で、オレゴン州で二〇〇五年、先ほど申し上げたカーリー・シーハンちゃんの、三歳の女の子に不審なけがが見つかって虐待通告をされた。ホットラインから連絡を受けたCPS、児童相談所のソーシャルワーカーが、日本でいえば児童福祉司ですけれども、一般の医師にカーリーちゃんを見せたところ、保護者が主張するとおり事故による外傷であるということで、CPSはこのとき一時保護を見送った。自宅に帰されたカーリーちゃんは、その後間もなく、エスカレートした虐待によって死亡してしまった。このカーリーちゃんの事件が大きな衝撃を与えたということなんですね。それで先ほど申し上げたカーリーちゃんの法、カーリー法ができて、これによって、未就学児に身体的虐待が疑われるときは、一般医ではなくてトレーニングを受けた虐待専門医に通告受理後四十八時間以内に必ず診察を受けさせなければいけない、こういうことが定められたそうであります。ちなみに、アメリカは、二〇〇九年にはアメリカ全土において、チャイルド・アビュース・ペディアトリシャンという、虐待専門の小児科医制度がつくられています。資料一枚目の下の方をごらんいただくと、オレゴン州では、虐待の通告の経路も、医師、医療機関からの通告が全体の一〇%を占めているという状況でもあります。しかるに、資料の二枚目、きのうの参考人質疑で東京都児童相談センターの西尾次長の資料にありましたが、黒囲みのところではなくて医師のところを見れば、医療機関からの虐待通報というのは日本は二%ということになっているわけです。オレゴン州では、カーリーちゃんの悲しい事件から、一般医ではだめだ、虐待専門医でなければだめだというところまでなっている。しかるに、日本には、虐待専門医と言えるだけの診断スキルを持ち研修を受けた医師、残念ながら国内にもほとんどいないのではないかというふうに思います。まず、お伺いをいたしますけれども、日本にこうした虐待専門医と言えるだけの医師はどれだけ存在しているのかということをお伺いしたいと思います。」 「厚生労働省として把握はしていない、そういう制度がないからということなんですけれども、子ども虐待医学会が行っているBEAMSというプログラムについては後で触れますけれども、虐待専門医レベルと呼べるような、そうしたレベルに達している医師の数は、もしかすると百人にも満たない、こういうことではないかというふうにも言われているところです。虐待の発見と診察について、さっきのカーリーちゃんの事件も踏まえて、それを見つける、それだけのスキルを持った虐待専門医を育てるということをアメリカそしてオレゴン州は行っている、専門医に子供を必ず見せる、四十八時間以内に見せるということもやっているわけですが、大臣と衆法提出者それぞれにお伺いをいたしますけれども、虐待の専門医と呼べるようなスキルを持ち研修を受けた医師を養成し、そしてできる限り児童相談所等に配置をしていく、こうしたことの必要性について認識を伺いたいと思います。」 「先ほどからお話が出ておりますが、子ども虐待医学会がやっているBEAMSという研修があります。ステージ一は、一般の開業医や子育て支援関係者が受けるレベル、ステージ二は、小児科医や地域の中核病院で虐待に対応する医師らが受けるレベル、ステージ三は、まさしく虐待専門医というそういうレベル、三つのステージに分かれた研修プログラムが用意をされています。カーリーちゃんの事件でカーリー法ができて、そしてアメリカでは虐待専門医の制度もできた。私たちは、結愛ちゃんや心愛ちゃんの悲しい事件から今この議論をやっているわけです。ぜひ、このBEAMSというプログラムがあるわけですから、医師に、必要な人は全員受けてもらって、そしてこうした専門のスキルを持った医師を力強く養成していくべきだと思いますけれども、大臣、どうお考えでしょうか。また、衆法提出者にもお伺いします。」 「オレゴン州では、組織をまたいだ多機関連携の仕組みも進んでいます。最初に申し上げましたけれども、アメリカでは、全ての州において、子供と接する特別職にペナルティーつきの虐待通告義務が課されています。子供の安全にかかわる不審な点を見つけたら、虐待かどうかを問わず、ホットラインに通報しなければなりません。そして、オレゴン州では、虐待通告ホットラインが受理した通告内容は全てCPS、そして警察の児童虐待チーム、CATに共有される、いわゆるクロスレポーティングが行われています。その後、CPS、児童相談所、警察、検察、子供の権利擁護センター等関係者間で締結された協定書に基づいて、虐待の初動調査、捜査が実施されます。CPSのソーシャルワーカー、児童福祉司ですね、子供虐待専門刑事、子供虐待専門検察官、司法面接者、系統的全身診察医、この五名で多機関連携チームがつくられる、マルチディシプリナリーチーム、MDTと呼ばれますけれども、通告された児童虐待の中で深刻な虐待、中でも性的な虐待については、MDTを組んで多機関連携チームで対応する仕組みを、オレゴン州は全米で初めてつくった。そして、MDTは、必要な場合、通告から四十八時間以内にチームとして集まって動き始めなければならない、こういうことも定められています。MDTを組むスタッフは、同じMDTビルディングの中で、同じ屋根の下で仕事をしているというんですね。警察、検察担当部署、児童福祉局、虐待通告のホットラインセンター、同じビルの中にいるんですよ。机を並べて働いているわけです。ポートランドを見習わなきゃいけません。やはり、このMDTのような多機関連携を進めて、深刻な虐待を見過ごさず、子供の命を守る、いわば日本版カーリー法、こういうことをつくらなければいけないというふうに思いますけれども、今回の法律案はそういうふうになれているのかどうか、大臣そして衆法提出者にお伺いをしたいと思います。」 「政府提出法案に連携に努めると書いてあるということでありますが、努める、努力規定がいかになかなか行われないかは、中核市の児童相談所の例を見てもわかるとおりだと思います。やはり、ある程度の強い書きぶりが望まれるところでもあるのかなというふうに思います。警察との連携のことでありますが、きょう、二ページ目の裏面に資料をつけさせていただいておりますが、警察が児童虐待についてどのような基準でかかわるのか、刑事的介入をするのか、その判断基準が外側の誰にもわからないという問題があります。警察出身の京都産業大学の田村正博先生が、児童虐待事案への刑事的介入における多機関連携シンポジウムという、その名もずばりな会議で提示した資料なんですけれども、いわばブラックボックスとなっている警察の判断基準で、子供にかかわるその他の機関にとっては、警察というのは連携しづらい組織になってしまっているということであります。では、オレゴン州ポートランドはどうかということなんですけれども、一枚目の資料の裏面でありますけれども、オレゴン州では、警察がかかわるケースとして三つの事例がこの資料のとおりに明記をされています。そして、児童相談所、児童保護局と警察が合同でチームをつくって連携をするときの基準としても、書かれたとおりの基準が示されています。こういう警察と児童相談所などが共同で対処するための基準が明記をされている、この部分もやはり見習うべきところがあるなというふうに思いますけれども、これは、国家公安委員会及び厚生労働省、いかに考えるか、お伺いしたいと思います。」


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