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希望日本賛同議員国会発言データベース

賛同議員の国会での各会議・委員会における発言がご覧いただけます。

(議員の所属政党は、委員会等での発言時のものとしています。

また、名前の前に※印がついている議員は、以前の賛同議員です。)

発言の詳細を表示します。


議員名山田宏(自由民主党)

2020年3月11日

委員会名参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会


「委員派遣における調査の概要について御報告いたします。本年二月十七日及び十八日の二日間、北方領土及び隣接地域の諸問題等に関する実情調査のため、北海道を訪問いたしました。派遣委員は、小西委員長、猪口理事、石橋理事、秋野理事、鈴木委員、紙委員、伊波委員及び私、山田の計八名でございます。今回の委員派遣では、降雪等のため日程を一部変更せざるを得ませんでしたが、関係者との意見交換や関連施設の視察等を通じ現地の実情の把握に努めました。以下、日程に沿って御報告申し上げます。一日目は、まず、釧路空港から根室市の納沙布岬に向かう車中において、北海道より根室管内の概況及び漁業、医療、介護各分野の課題などについて説明を聴取しました。納沙布岬では、天候が余り良くない中ではありましたが、歯舞群島の貝殻島灯台に加え萌茂尻島を間近に見ることができ、北方四島はまさに我が国固有の領土であることを実感いたしました。その後、北方領土問題の発生の状況や歴史的経緯を解説している啓発施設である北方館及び望郷の家を視察し、北方領土問題や返還要求運動の歴史的経緯などについて説明を受けました。次に、根室市総合文化会館に移動し、まず、北方領土の元居住者の組織である公益社団法人千島歯舞諸島居住者連盟から要望を聴取するとともに、意見交換を行いました。その後、行政関係者などから要望を聴取するとともに、意見交換を行いました。千島連盟からは要望として、北方領土の早期一括返還に向けた外交交渉の展開、北方墓参・自由訪問におけるより自由な往来の実現や参加者の負担軽減と安全の確保、自由訪問事業の対象者の拡大、財産権の保護に関する方針等の明確化や、財産権を行使できなかったことの損失等への早急な措置の必要性、北方領土問題の国民全体への啓発活動の強化などが述べられました。また、意見交換では、北方領土返還要求運動は二世、三世の後継者が中心になりつつあり、活動に広がりを持つためにも若年層への北方領土問題啓発により注力すべきであることなどについて発言がありました。続いて、地元自治体である北海道からは要望として、北方領土返還要求運動の推進、北方領土隣接地域の振興対策の充実強化、北方四島交流等事業の円滑実施、共同経済活動に関する協議の推進、北方四島との関係強化を図る取組などが、また、北方領土隣接地域の一市四町から成る北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会からは、北隣協と北方四島との新たな地域間交流の推進などが、それぞれ述べられました。また、北海道における北方領土返還要求運動の主要な担い手である公益社団法人北方領土復帰期成同盟からは要望として、北方領土返還要求運動に対する支援の充実強化及び北方四島交流事業の推進などが、さらに、北方地域漁業権補償推進委員会からは、旧漁業権に対する早急な補償措置の必要性などが、それぞれ述べられました。また、意見交換では、北方領土返還実現のためにも北方領土隣接地域が魅力ある地域であり続ける必要性、北方領土隣接地域への振興施策は地域経済への投資の起爆剤となり得ること、取崩しが法改正で可能となった北方基金の取崩しによる枯渇への懸念、北方四島よりも日本本土の方が医療は充実していると聞くが受入れ人数は限られてしまうこと、北方領土の旧漁業権について沖縄とは異なり補償が行われなかったことなどについて発言がありました。二日目は、早朝に根室を出発し、まず、別海北方展望塔及び標津町の北方領土館を順次視察しました。これら施設から国後島を展望するとともに、国後島集落の一軒一軒の家々を元島民が再現して描いた鳥瞰図などを視察しました。その後、羅臼国後展望塔を視察し、眼前に横たわる国後島が一望できましたが、羅臼漁港と国後島の間の幅約二十五キロメートルの海域は、手を伸ばせば届くような近さであることが実感されました。次に、羅臼漁港を視察し、近年のロシア国境警備局による漁船の連行について、安全操業に関する具体的な操業条件を全ての漁船員に周知徹底することの難しさなどについて説明を受けました。その後、最後の視察先である町立中標津病院において説明を聴取しました。医師などの医療従事者の確保の難しさや厳しい勤務状況、町からの繰入れが常態化している病院の収支状況などが大きな課題となっていることや、同病院が行っている北方四島のロシア人住人に対する医療支援について、我が国の高度な医療がロシア人患者に涙ながらに感謝されていたことなどについても伺いました。こうして全日程を終え、中標津空港から帰路に就きました。以上が調査の概要でございます。今回の委員派遣では、元居住者など多くの関係者と会い、意見交換を行う中で、率直な思いを伺うことができました。一万七千名以上いた元居住者が今では六千名を切り、平均年齢も八十五歳に近づく中で、いまだ北方領土の返還が実現しないことに対する非常に強い焦燥感や、今般の視察における元居住者団体などからの要望を国政に反映させることを求める強い思いが述べられました。また、元居住者の高齢化が進む中で、北方領土返還運動を担う後継者への一層の支援の必要性や、若い世代への北方領土教育の在り方といった課題に対する認識を新たにしました。視察を通じては、北方領土隣接地域の振興について、同地域の基幹産業である水産業では、ロシアのトロール漁船の操業による影響や、北方四島周辺水域操業枠組み協定により操業していた日本漁船が近年ロシアの国境警備局により連行される事案を踏まえて、漁船員に対する操業条件の周知徹底を含め、漁業関係者が安心して操業できる環境の整備の必要性や、医療・介護体制の維持・拡充、酪農の一層の近代化などの課題があることを伺いました。この点に関し、近年の低金利の影響で運用益が減少していた北方基金について、平成三十年の北特法の改正により同基金の取崩しを可能としたところであり、令和元年度は基金の運用益や取崩しの活用により約四億円の事業が行われております。また、元居住者等への融資についても、旧漁業法の改正により貸付対象者を拡大しており、新たに対象となった方への融資も令和元年度に行われたところです。北方領土問題の解決のためには、返還要求運動の更なる広がりや国民世論の一層の啓発が不可欠であるとともに、望ましい地域社会としての発展が阻害されている北方領土隣接地域への振興策が極めて重要であり、地元の声を十分聞きながら、より一層取り組んでいく必要性を強く感じました。最後に、今般の委員派遣に際し、御協力いただきました北海道を始めとする関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。なお、委員派遣の文書による報告につきましては、本日の会議録の末尾に掲載されますよう、お取り計らいをいただきたいと存じます。以上です。」


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