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希望日本賛同議員国会発言データベース

賛同議員の国会での各会議・委員会における発言がご覧いただけます。

(議員の所属政党は、委員会等での発言時のものとしています。

また、名前の前に※印がついている議員は、以前の賛同議員です。)

羽田雄一郎先生のご訃報に接し、衷心より哀悼の意を表します。

発言の詳細を表示します。


議員名三宅伸吾(自由民主党)

2021年3月16日

委員会名参議院 外交防衛委員会


「新型コロナウイルス感染症の発生地とされます中国でございますけれども、日本を始め先進国のみならず途上国の多くが今なおコロナ禍で苦しむ中、中国は躍進をいたしております。中国は、二〇二五年まで毎年五・七%の成長が見込まれ、二〇二八年にはアメリカを抜き世界一の経済力になるとの予測も出ております。同様の分析を日本経済研究センターでも出しております。つまり、中国は、コロナウイルス発生地であるにもかかわらず、多くの国々がそれによって苦しむ中、着々と経済を回復し、それをてこに戦略的な外交をやっているということだろうと思います。こうした中、中国からの挑戦の矛先となったアメリカでは、強い警戒心と脅威を感じております。バイデン政権になって発表されました国家安全保障戦略暫定指針ではこのように述べております。米国に脅威となる国は複数あるが、中国だけが経済力、外交力、軍事力、技術力を伴い、安定し開かれた国際秩序を揺るがすことのできる唯一の存在であるとしております。その一方で、ブリンケン国務長官は、中国とは競争的、協調的、敵対的であるべきとしており、ただ、ただ敵対するだけでなく、緊張感をエスカレートさせるだけではなく、協力的であることも必要だと述べておられます。中国とアメリカの関係に表されるような台頭国と覇権国の対立の構造によって引き起こされる紛争は、過去にも歴史がございます。こうした観点から、国際政治学者でハーバード大学のグレアム・アリソン教授は「米中戦争前夜」という名著を出されておられます。台頭国が覇権国に挑む構図の戦争において、一定の条件がそろった場合には戦争を避けることが、できるということを、戦争になってしまうと、不可避だという分析もしておりまして、アリソンはこの理論をツキジデスのわなというふうに名付けております。しかしながら、アリソンは、必ずしも対立が戦争に至るわけではなく、幾つかの回避の方法もあるとしております。主に覇権国の側が妥協をすること、そして、対立している内容以外での協力関係を築くことで緊張関係が避けることもできるという分析もしております。台頭国が覇権国に挑戦した構図の戦争のうち、戦争に至った例、そして戦争を回避した例を少しだけ御紹介申し上げます。まず、一つ目の例でございますけれども、これはイギリスとドイツの対立でございます。ドイツの経済成長に伴い、同国が産業や海軍力で台頭したわけでございますけれども、ドイツは台頭国としての敬意や名誉を得るために海軍力強化を図りました。ドイツの海軍強化は攻撃的な目的があったわけではないとされておりますけれども、当時覇権を握っていたイギリスにとっては大きな脅威と映りました。そのため、イギリスも軍拡を進め、緊張感が高まり、結果的に第一次世界大戦へ突入していったという分析でございます。もう一つ、アメリカと日本の戦争もございました。戦争に至った例でキーポイントとなりますのは、台頭国は権力の維持拡大のために、その存在を認めてもらいたいとか、そして権威や名誉を求めるということがあるそうでございます。次に、戦争を回避した例もございます。一つが、イギリスとアメリカの事例でございます。一八七〇年代に世界最大の経済規模となったアメリカは、積極的に他国の戦争に介入、そしてまた、場合によっては仲介をするようになりました。その結果、イギリスとアメリカの間の大戦の機運が高まりましたけれども、覇権国側であるイギリスは、当時のアメリカの国力に鑑み、南米におけるアメリカの覇権を認めるという偉大な妥協をすることで大戦を回避したという分析がございます。次に、言うまでもなく、米ソ対立でございます。小競り合いはございましたけれども、代理戦争という意味の小競り合いでございますけれども、核兵器を持つということは当然大国としての権力の象徴と扱われておりました。そのため、ソ連も核開発を行い、アメリカと核戦争の危機を感じるときもあったわけでございます。しかしながら、戦争には至っていないと。その理由でございますけれども、両国間の距離が離れていること、それから核兵器のせん滅性でございますね、そして外交努力でSALTを構築できたことが大戦が避けられた理由であるという分析でございます。繰り返しになりますけれども、ポイントとなりますのは、台頭国は力の拡大に伴いその威厳を誇示する方針を取ることで覇権国との対立を高めていったということです。そして、戦争に至ったケースと異なるのは、覇権国の側が台頭国の地位や名誉、相互理解を進めるなど、妥協策を探ることで大戦が回避できたというふうにアリソンは分析をいたしております。また、この観点から、別の研究によりますと、台頭する国が求める地位と、一方で現実に与えられている地位、ステータスとのギャップが大きくなると開戦へつながっていくという別の研究もございます。中国やロシアなどのステータスを覇権国が認知することが、今の対立構造での戦争の回避、戦争のリスクを回避することにつながるのではないかという主張もございます。また、繰り返しになりますけれども、アリソンは、共通の利益になるような分野について協力体制を築くことが大戦リスクを低減させる一つの要素ではないかという分析をしております。そこで、茂木外務大臣にお尋ねをいたします。米中間の衝突を避けるために、アメリカは中国のどのような分野のステータスを認知し、協力体制を構築することができると茂木大臣はお考えでしょうか。そしてまた、日本は米中間の紛争リスク低減のためにどのようなことができるとお考えでしょうか。」


→議事録全体を見る(国立国会図書館 国会会議録検索システムが別タブで開きます)

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